「早く起きて!遅刻するよ!」
毎朝のように繰り返されるこの言葉。私もずっと、叫ぶようにして息子を起こしていました。でも、目は開けても体は動かず、布団の中で丸まる息子を見るたび、「怠けてるわけじゃないのに…」というもどかしい気持ちが溢れてきます。
この記事では、ADHDの特性と“朝が苦手な理由”、そして我が家で試してみた対策や気持ちの変化についてお話しします。もし同じように悩んでいる方のヒントになれば嬉しいです。

ADHDの子どもが朝起きられないのはなぜ?
脳の「エンジン」がかかりにくい
ADHDの子どもは、脳の覚醒が一般の子よりも遅れやすい傾向があります。
たとえば、朝になっても頭がぼんやりしていて、すぐに行動を始めるのが難しいのです。

夜の眠りが浅く、寝つきも悪い
寝つくのに時間がかかる子も多く、睡眠の質が浅いこともしばしば。夜遅くまで目が冴えてしまうことも、翌朝のだるさにつながっています。


感覚過敏やストレスも影響
布団や音、においなど些細な刺激が眠りを妨げていたり、なにかにストレスを感じている場合もあります。

我が家で試した対策いろいろ
朝の声かけは“静かに”“短く”
「早くして!」と言えば言うほど、息子は動けなくなってしまいました。
今は「おはよう、今7:30だよ」など、やさしく短い声かけにしています。
光で自然に目覚める仕組み
カーテンを閉めずに開けて寝たり、光目覚まし時計を導入しました。
徐々に目が覚めてくれることが増えました。
夜の過ごし方の工夫
寝る1時間前はゲームや動画をやめ、みんなで今日あった出来事を話す時間に切り替えています。
小さなルーティンが、寝つきを助けてくれます。


うまくいったこと・いかなかったこと
正直、全部がうまくいったわけではありません。
たとえば、「ごほうびで釣る」方法は逆効果でした。「起きられない自分はダメなんだ」と落ち込んでしまったのです。
一方で、「おはよう、今日どうする?」と息子に選択肢を渡す方法は効果的でした。
その日の状態に合わせて「もう少し寝る」「時間をずらす」など柔軟に対応できるようになって、親も子も少し気が楽になりました。


親の気持ちと向き合う時間
私自身、「ちゃんと起きてほしい」「遅刻は困る」と焦ってしまい、何度も怒ってしまいました。
でもある日、息子が涙をこらえて「起きたいのに、体が動かない」と言ったんです。
それからは、「この子はわざとじゃない」と思うようになりました。
今でも大変な日はあるけれど、気持ちに寄り添おうとするだけで、親子の関係が少し変わった気がします。
おわりに:一歩ずつ進めば大丈夫
「朝起きられない」ことは、本人も困っていること。
だからこそ、叱るのではなく一緒に悩んで、少しずつでも楽になる方法を探していけたらいいなと思っています。
この記事が、同じように悩んでいる誰かの心を少しでも軽くできたら嬉しいです。
