「うちの子、このまま学校に戻れないんじゃないか……」
そんな不安で、夜眠れなくなったことはありませんか。
我が子が学校に行けなくなると、頭の中はずっと「いつ戻れるんだろう」でいっぱいになりますよね。ネットで検索すれば「高校デビューで挽回できる」「中学は休んでも高校で立て直せば大丈夫」なんて言葉がたくさん出てきて、少しホッとする一方で、「じゃあ、それまでに戻れなかったらどうなるの?」というモヤモヤも残る。
今日はその「高校までに復活すればいい」説について、私自身がいろんな親御さんの話を聞いたり、実際に子どもと向き合ってきた中で感じたことを、正直にお話ししていこうと思います。結論から言うと、半分本当で、半分は「思い込み」です。順番に見ていきましょう。
そもそも「高校で復活」説はどこから来たのか
この説、よく聞きますよね。理由はシンプルで、高校は「義務教育じゃない」「クラス替えがある」「新しい人間関係をゼロから作れる」という、環境がガラッと変わるタイミングだからです。
通信制高校というのもがあるから選択できる!というのも大きいのかも。
小学校・中学校は同じ顔ぶれで何年も過ごすので、一度こじれた人間関係やイメージを引きずりやすい。でも高校は違うメンバー、違う校風でスタートを切れる。だから「そこでリセットできる」というのは、あながち間違いではありません。
実際、中学までは教室に入れなかった子が、通信制や単位制の高校で自分のペースを見つけて、驚くほど生き生きと通い始めるケースはたくさんあります。
でも「高校までに」に縛られすぎると危ない理由
ここが今日一番伝えたいポイントです。
「高校までに戻ればセーフ」という考え方は、裏を返せば「高校までに戻れなかったらアウト」というプレッシャーにもなりえます。これ、子どもにも親にも、じわじわ効いてくる呪いなんです。
たとえば、坂道を自転車で登っている子どもを想像してみてください。後ろから「早く早く、頂上まであと少しなんだから」と急かされたら、余計に足が重くなりませんか? 不登校からの回復も同じで、「期限」を意識させられるほど、子どもは焦りと不安で身動きが取れなくなります。
- 「高校デビューしなきゃ」というプレッシャーで、逆に高校でも行き渋りが出てしまう
- 「もう間に合わない」と絶望して、余計にエネルギーを失ってしまう
- 親が期限を意識するあまり、子どものペースを無視して急かしてしまう
こうした逆効果、実は珍しくありません。
「復活」のタイミングに正解はない
ここではっきりさせておきたいのですが、不登校からの回復に「ここまでに」という締切は存在しません。
- 中学のうちに教室へ戻る子
- 高校で新しいスタートを切る子
- 高校も通信制でマイペースに過ごし、大学や専門学校、就職のタイミングで社会と繋がり直す子
- 20代になってから、自分のやりたいことを見つけて動き出す子
私が見聞きしてきた中でも、本当にバラバラです。大事なのは「いつ戻るか」よりも「どう戻るか」。無理やり期限内に押し込んだ回復は、また同じところでポキッと折れてしまうことが多いんです。逆に、じっくり充電してから動き出した子は、驚くほど安定して前に進めることがあります。
じゃあ、親は何を目安にすればいいのか
「期限がない」と言われると、逆に不安になる方もいると思います。「じゃあ何を信じて待てばいいの?」と。
目安にすべきは、カレンダーの日付ではなく、子どもの「小さな変化」です。
- 朝起きる時間が少しずつ整ってきた
- 家族以外の誰かと話す場面が増えてきた
- 好きなこと・興味のあることに時間を使えるようになってきた
- 「今日は○○してみようかな」と自分から言葉が出てきた
こうしたサインは、学年やタイミングに関係なく、子どもが自分のエネルギーを取り戻し始めている証拠です。ここを見ずに「高校までにどうか」ばかり気にしていると、目の前の小さな回復のサインを見逃してしまいます。
焦る気持ちとの付き合い方
とはいえ、親だって人間です。焦る気持ちが消えることはありません。それでいいんです。ただ、その焦りを子どもにそのままぶつけないことが大切です。
おすすめなのは、焦りを「子ども以外」に向けて発散すること。ノートに書き出す、同じ立場の親御さんと話す、専門家に相談する。焦りを溜め込んだまま子どもと向き合うと、どうしても言葉や態度に「早く戻ってほしい」がにじみ出てしまいます。
私自身、そうした発信をブログでも続けていますが、「同じように悩んでいる人がいる」と知るだけで、気持ちがふっと軽くなることがあります。一人で抱え込まないでくださいね。
まとめ:期限じゃなくて、今日の一歩を見よう
「高校までに復活すればいい」という言葉は、希望を持つきっかけとしては悪くありません。でも、それを「締切」にしてしまうと、親子ともに苦しくなってしまいます。
大事なのは、いつ戻るかではなく、どんなペースで、どんな小さな変化を積み重ねていけるか。
もし今日、子どもが少しでも笑った瞬間があったなら、それはもう立派な「復活」への一歩です。カレンダーとにらめっこするのはひと休みして、今日のその小さな変化に目を向けてみませんか。
