「もしかして読み書き障害?」と思ったら、まず何をすればいい?相談先と検査まるわかりガイド

LD

え、これ自分(うちの子)のことだ…と思ったあなたへ

  • 音読すると、行を飛ばしたり同じところを読み直してしまう
  • 「わ」と「は」、「 b」と「d」をよく間違える
  • 漢字を何度書いても覚えられない
  • 板書を写すのに、他の子の倍以上時間がかかる
  • 読むこと自体はできるのに、ものすごく疲れる

こんな様子に「あれ?」と気づいたこと、ありませんか。

本人はふざけているわけでも、サボっているわけでもない。

なのに「ちゃんと読みなさい」「何度も練習すれば覚える」と言われ続けて、どんどん自信をなくしていく…。そんな光景を目にすると、胸がぎゅっとなりますよね。

実はこれ、読み書き障害(ディスレクシア/LD=学習障害の一種)の特徴とよく似ています。

とはいえ、「うちの子(自分)は障害なのかも」と一足飛びに結論を出す必要はありません。

大事なのは、次にどこへ相談すればいいかを知っておくこと

今日はそれを、順番に、できるだけかみ砕いてお伝えします。


① まずは「様子見」より「言葉にする」ことから

読み書き障害は、パッと見ただけでは分かりにくい特性です。

知能や視力には問題がなく、会話もふつうにできる。

だからこそ「気のせいかな」「そのうち慣れるかな」と、様子見のまま数年が過ぎてしまうケースがとても多いんです。

でも、たとえるなら「靴の中に小石が入ったまま歩き続けている」ような状態。放っておいても小石は消えません。

むしろ歩けば歩くほど傷が深くなります。

まずやってほしいのは、気づいたことをメモに残すこと

  • いつから、どんな場面で困っているか
  • 具体的にどんな間違い方をするか
  • 本人がどう感じているか(「疲れる」「嫌だ」など)

このメモが、この後どこに相談するにしても、驚くほど役立ちます。


② 学校・園がある人は、まず「担任」より「特別支援コーディネーター」へ

お子さんの場合、最初の窓口としておすすめなのは担任の先生……ではなく、各学校に必ずいる「特別支援教育コーディネーター」です。

担任の先生ももちろん相談相手になりますが、専門的な視点や外部機関との橋渡しをしてくれるのはこちらの役割。

「うちの子、読み書きで困っているようなので相談したいです」の一言で大丈夫です。

学校側は日常的にこうした相談を受けているので、身構えなくて大丈夫。

大人の場合は、勤務先というより次に紹介する専門機関に直接つながるほうがスムーズです。


③ 専門的な相談先は、実はこんなに種類がある

「病院?それとも相談所?」と迷う人が多いポイントです。代表的な相談先を整理してみました。



子どもの場合

  • 教育委員会の教育相談室:学校を通さなくても直接相談できる自治体が多い
  • 発達障害者支援センター:都道府県・政令指定都市に必ず1つはある公的機関
  • 小児科・児童精神科(発達外来):医学的な診断や検査が必要な場合はここ
  • 民間の学習支援・LD専門の塾:診断がなくても相談できるところが多い



大人の場合

  • 発達障害者支援センター:大人も対象。まずはここに電話するのが王道
  • 精神科・心療内科(成人の発達障害外来):診断が必要な場合
  • 地域障害者職業センター:仕事に関する困りごとが強い場合に強い味方

迷ったら、「発達障害者支援センター」に電話する、これを覚えておけば間違いありません。

年齢を問わず相談を受け付けていて、必要に応じて医療機関や検査機関を紹介してくれる、いわば「最初の相談窓口」です。


④ 検査って何をするの?痛くないので安心してください

「検査」と聞くと身構えてしまいますが、注射も採血もありません。

基本的には質問に答えたり、問題を解いたりする形式です。代表的なものを紹介します。

  • WISC(ウィスク)/WAIS(ウェイス):知能検査。得意・不得意の凸凹を見る
  • STRAW-R:読み書きの正確さ・速さを測る、読み書き障害に特化した検査
  • KABC-Ⅱ:認知の特性と学習の習得度を合わせて見る検査

「文字は読めるはずなのに、なぜか読み間違える」というタイプの場合、次の2種類の検査も候補に入ってきます。

・視覚認知の検査


文字を「形」として正しく捉えられているかを見る検査です。

代表的なのがWAVES(見る力の検査)DTVP-Ⅱ(視知覚発達検査)

「わ」と「ね」を見分けにくい、行を目で追うのが苦手…といった困りごとの背景に、視覚での情報処理のクセが隠れていることがあります。

・言葉の検査(言語発達検査)


語彙や言葉の理解力、聞いた内容を覚えておく力などを見る検査です。

代表的なのがPVT-R(絵画語い発達検査)ITPA言語学習能力診断検査LCSA(学齢版言語・コミュニケーション発達スケール)

読み書きの土台には「言葉そのものの力」も大きく関わっているため、あわせて確認することで、困りごとの原因がより立体的に見えてきます。

検査は基本的に臨床心理士や公認心理師が実施し、結果は本人・保護者に分かりやすく説明されます。

「診断をつけるため」というより、「その人に合った学び方・働き方を見つけるため」の材料集めだと思ってもらえると、少し気が楽になるはずです。

費用や待ち時間は地域差が大きいので、電話で相談した際に「検査までどれくらいかかりますか」と聞いておくと安心です。


⑤ 「診断がつかなくても」できることはたくさんある

これ、意外と知られていないのですが、診断名がつかなくても支援は受けられます

学校では「合理的配慮」として、タブレットでの読み上げ、テストの時間延長、板書の写真撮

影などが認められるケースが増えています。

大事なのは診断名そのものより、「この子(自分)はこういう場面で困っている。だからこういう工夫があると助かる」という情報を、周りと共有できること。

検査はそのための、いわば「説明書」を作る作業なんです。


まとめ:まずは一本、電話をかけてみよう

長々と書きましたが、今日覚えておいてほしいことはひとつだけです。

「発達障害者支援センター」に、まず電話をかけてみること。

完璧な準備なんていりません。「読み書きで困っているようで、相談したいのですが」の一言で十分です。

小石が入ったままの靴で、これ以上歩き続けなくていい。

あなたが動いた分だけ、本人(自分自身)の毎日はきっと軽くなります。今日、その一歩を踏み出してみませんか。



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